【ランニング入門】初心者が最初に知っておきたい基本と始め方ガイド

ランニングをしている男性のイラスト

仕事や家事に追われる毎日の中で、体力の衰えや体型の変化を感じ始め、「そろそろ運動をしたほうがいい」と思っている人は少なくありません。学生時代は運動していたものの、社会人になってからは時間が取れず、気づけばほとんど体を動かしていない──思い当たる方も多いのではないでしょうか。

ランニングに興味はある。でも、続くか分からないし、正しいやり方もよく分からない。きつそう、というイメージが先に立って、なかなか始められない。多くの人がつまずくのは、この「始め方が分からない段階」です。

この記事では、ランニングを競技やトレーニングではなく、趣味として楽しみたい人に向けて解説します。体力や体型を整えることを目的に、初心者が無理なく始めるための基本知識と始め方を整理しました。

難しい理論や精神論は省き、「これだけ知っていれば始められる」という実用性を重視した内容に絞っています。運動不足を自覚している社会人が、安心して走り出すための最初のガイドとして活用してください。

難易度評価
★5=優れている/★1=ハードル高め
はじめやすさ
初期費用
続けやすさ

目次

ランニングの基本

ランニングとは、一定のリズムで走る有酸素運動です。ウォーキングよりも運動強度が高く、心肺機能と下半身を同時に使えるのが特徴です。短時間でも運動量を確保しやすく、忙しい社会人でも取り入れやすい点が大きなメリットです。

距離やスピードに厳密な決まりはありません。重要なのは、日常生活に支障が出ない強度で体を動かすこと。趣味としてのランニングは、毎回限界まで追い込む必要はありません。

ランニングとジョギングの違い

ランニングとジョギングは、運動としての本質的な違いはほとんどありません。

一般的には、ゆっくりしたペースで走ることをジョギング、そこから強度の幅を含めた走る行為全般をランニングと呼ぶことが多くなっています。

ただし、明確な境界線があるわけではありません。趣味や健康目的で行う場合、呼び方を気にする必要はなく、「自分が無理なく走れているか」を基準に考えれば十分です。

ウォーキングとの違い

ウォーキングは安全性が高く、関節への衝撃が少ない運動です。一方で、運動効果を得るにはある程度の時間が必要になります。

ランニングは着地時の衝撃がある分、短時間でも心拍数が上がりやすく、体力向上や体型改善につながりやすい運動です。ウォーキングとランニングを比べると、時間効率の面ではランニングのほうが優れています


メリットと注意点

ランニングは体力向上や体型維持に効果的な運動ですが、その効果は「どれだけ走ったか」だけで決まるものではありません。走る動作そのものが体にどのような刺激を与え、どんな負荷がかかるのかを理解しておくことで、メリットを引き出しやすくなり、同時にリスクも抑えやすくなります。

メリット

ランニングを継続すると、心肺機能が高まり、酸素を効率よく取り込んで使えるようになります。その結果、長時間動いても息が上がりにくくなり、体力や持久力の向上につながります。
階段の上り下りが楽になる、仕事終わりの疲労感が残りにくくなるなど、日常生活の中で変化を実感しやすい点も特徴です。

ランニングの効果は、10〜20分程度の運動時間でも出やすく、20〜30分ほど走れるようになると体型維持や体脂肪のコントロールにもつながります

  • 体力向上
  • 持久力向上
  • 体型維持
  • ダイエット効果

注意点

ランニングは運動効果が高い反面、体への負荷もかかりやすく、初心者はケガに注意が必要な運動です。最初から頻度や強度を上げすぎず、週2〜3回程度から始めるのが安全です。

  • 走りすぎによる過労
  • 関節・筋肉のケガ
  • 路面環境による負荷
  • 持病がある場合の健康リスク

膝や足首、すねなどに違和感や痛みが出た場合は無理をせず休み、回復を優先してください。また、心臓・血管・呼吸器・関節などに持病がある場合は、事前に医師へ相談した上で始めてください。


必要なものと費用

道具の箱を運ぶ人物と、計算機やチェックリストを描いたイラスト。

ランニングに必要な装備の中で、最も優先度が高いのがシューズです。ランニングでは着地のたびに体へ衝撃がかかり、その負荷を直接受け止めるのがシューズだからです。シューズの設計によって、足裏・膝・足首への負担は大きく変わります。

特に運動習慣が久しぶりの人は、足まわりの筋力や関節がまだランニングの衝撃に慣れていません。普段履きのスニーカーやクッション性の低い靴で走ると、フォームが崩れやすく、短い距離でも疲労が強く残りやすくなります。

ランニングシューズの選び方

初心者が最初に選ぶべきなのは、「スピードを出すためのモデル」ではなく、衝撃を受け止め、安定して走れるモデルです。ランニング用として設計されたシューズは、着地から蹴り出しまでの動きを自然にサポートし、無理のないフォームで走りやすくしてくれます。

  • クッション性:着地時の衝撃を吸収し、足や関節への負担を減らす
  • 安定性:着地時のブレを抑え、フォームを安定させる
  • 履き心地:足全体を包み込み、違和感が出にくい設計

初心者向けランニングシューズの例

着地時のブレを抑え、フォームが崩れにくい
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着地衝撃を和らげ、足への負担を減らす
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ウェアの選び方

ランニングではシューズほど厳密な選定は求められませんが、季節や気温に合ったウェアを選ぶことで、快適さと継続のしやすさは大きく変わります。判断基準はシンプルで、「体温調整がしやすいこと」と「走りの動作を妨げないこと」の2点です。
必ずしもランニング専用ウェアである必要はありません。まずは動きやすく、汗を素早く処理できる素材を選び、走る頻度や距離が伸びてきた段階で必要に応じてアップデートしていけば十分です。

春・秋吸汗速乾素材のTシャツ+薄手のパンツ
朝晩の冷え対策に軽量ウインドブレーカーがあると便利。
通気性・速乾性を最優先
汗を乾きやすくし体力消耗をおさえる。
インナー+長袖+防風アウターのレイヤリング
走り出すと暑くなる前提で、防寒よりも放熱調整を意識。

あると便利な小物

必須ではありませんが、走る頻度が上がってくると「あるほうが快適」と感じやすいアイテムです。使用シーンが明確なものから追加していくのがおすすめです。

  • ランニングキャップ:日差し・雨対策、夏場の体力消耗防止
  • ランニングソックス:靴ずれ防止、足裏の安定感向上
  • アームポーチ/ウエストポーチ:スマートフォンや鍵の携帯用
  • 反射材・ライト:早朝・夜間の安全確保

初期費用の目安

自宅にある動きやすい服でも始められますが、これからランニング用に一式そろえる場合のおおよその目安は以下のとおりです。ウェアは価格帯の幅が広く、必ずしもスポーツブランドで統一する必要はありません。ナイキやアディダスなどのランニングウェアはもちろん、ユニクロなどの吸汗速乾素材のトップスや動きやすいパンツでも、初心者のうちは十分対応できます。

アイテム目安価格
スニーカー¥10,000〜20,000
ウェア上下¥5,000〜20,000
小物類¥2,000〜10,000
合計¥17,000〜50,000

すでに動きやすい服を持っている場合は、シューズ代を中心に1.5〜2万円程度からランニングを始めることができます。まずはシューズに予算を優先し、ウェアや小物は走る頻度に応じて後から調整していくのが、失敗しにくい選び方です。


正しいランニングフォーム

正しいランニングフォームと悪いフォームを比較したイラスト

ランニングフォームは、スピードや距離よりも優先して整えるべき要素です。

フォームが安定すると、同じペースでも無駄な力を使わずに走れるようになり、結果として疲労の蓄積を抑えながら継続しやすくなります。逆に、自己流のフォームで走り続けると、心肺機能より先に脚や関節に負荷がかかり、ケガや挫折の原因になりやすくなります。

意識したいのは、「楽に、長く走れる形」を作ることです。ランニングにおける正しいフォームは、見た目の美しさではなく、衝撃を分散し、体への負担を最小限に抑える構造として考えると理解しやすくなります。

姿勢

意識したいポイント

  • 背筋を自然に伸ばし、頭から腰まで一直線を意識
  • 軽く胸を張り、肩の力を抜く
  • 視線は進行方向(10〜15m先)に向ける
  • 上半身はリラックスし、無駄な力を入れない

腕の振り

意識したいポイント

  • 肘を軽く曲げ、前後方向に自然に振る
  • 肩の力を抜き、リラックスした状態を保つ
  • 腕は「前に出す」よりも「後ろへ引く」意識を持つ
  • 腕振りを一定に保ち、上半身のブレを抑える

足運び

意識したいポイント

  • 自然な歩幅(ストライド)を意識
  • 無理に前へ足を出さず、体の真下付近で着地する
  • 着地後は足裏全体で体重を受け、衝撃を分散させる
  • 地面を「蹴る」のではなく「押す」感覚で前へ進む

ペースの考え方

初心者のランニングペースの目安は、「ややきつい」と感じる程度の強度です。目安としては、息は上がるものの、短い会話ならできる状態。この強度で10〜20分ほど走るだけでも心肺機能への刺激は入り、継続することで持久力や体力の向上につながります。

運動時間が20〜30分程度になるとエネルギー消費量も増え、体型維持や体脂肪の減少を目的とした運動としても効果が出やすくなります。長時間走る必要はなく、限られた時間でも一定の効果を得られる点が、社会人にとってランニングが取り入れやすい理由です。

もし「走るのは少しハードルが高い」と感じた場合は、ウォーキングから始めるという選択肢もあります。

ウォーキングは関節への衝撃が少なく、運動習慣が久しぶりの人でも取り入れやすい運動です。まずは歩く時間を確保し、体力やリズムが整ってきた段階で、走る時間を少しずつ混ぜていく方法でも十分効果があります。


まとめ

ランニングは、初心者でも無理なく始めやすく、日常に組み込みやすい趣味です。

正しいフォームと無理のない強度を意識すれば、特別な経験や高い運動能力がなくても始められます。

忙しい毎日の中でも、10〜20分程度の時間で心肺機能に刺激を与え、体力や持久力の底上げにつなげられる点は、社会人にとって大きなメリットです。続けることで疲れにくさを実感しやすく、体型維持や体脂肪コントロールにも効果が期待できます。

なお、運動を習慣にするうえで大切なのは、「何を選ぶか」よりも「続けられる形を選ぶこと」です。
ランニングが合えばそのまま続ければよいですし、負荷が高いと感じる場合は、ウォーキングを軸にするのも十分に現実的な選択です。

ウォーキングで体力の土台を作り、余裕が出てきた段階でランニングを取り入れる。そのような進め方でも、運動習慣としてはまったく問題ありません。

どちらを選んでも、「体を動かす習慣」を作れている時点で、すでに一歩踏み出しています。

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